院試とか

 

経歴

東大薬学部 -> 東大大学院情報理工学研究科コンピュータ科学専攻
院試を受ける際、他の情報理工系の院試はよくBlog などに攻略法が載っているのだけど、ここの院試は情報がほとんどなかった。( 多分外部が少ないから。) 情報を集めるのに結構苦労したので、忘れないうちに次に受ける人用に書いておく。上手い事準備すれば情報系以外の学部からでも大丈夫(なはず。自分と似たような境遇の人に幸あれ。)

情報収集
行きたい研究室に訪問して、そこにいる学生さんから院試の情報を聞き出すのが最も有効な手段。ほとんどの重要な参考書は、研究室の先輩に教えていただきました。

準備期間
半年ぐらい。他の学部出身なので、これだけの時間がかかってしまった。。。
情報系学部出身の人はもっと楽に院試通るのだと思う。(授業で情報系の内容習えるのうらやましいなぁ。)

読むべき本
情報系学部の人以外にとっては、範囲が広い & 出る分野内容が予測不能 & 過去問何回かやるので不十分 というのが実情なので、基本的なことが使いこなせる訓練が必要。

アルゴリズム
アルゴリズムイントロダクション 1/2/3巻
・データ構造とアルゴリズム (五十嵐健夫 著)
プログラミングコンテストチャレンジブック (秋葉 拓哉, 岩田 陽一、北川 宜稔 著)
とにもかくにもまずこの分野に手を付けると良いと思う。
過去問をみるとアルゴリズムが正しく動作するかを証明しなさいみたいな問題も普通に出たりするので、アルゴリズムイントロダクションは証明を追いつつ2週読む。
RMQ使って解かないと行けない、ポテンシャルを使って、Bellman-ford を dijkstra に落とし込んで解く見たいな問題も普通に出るので、演習もかねて蟻本も読んだほうが良い。擬似コードがわかりやすいので、データ構造とアルゴリズム (五十嵐健夫 著)を時々参考にした。

数値計算
数値計算の常識 (伊理正夫・藤野和建 著)
・数値解析 (森正武 著)
数値計算の常識は良い本だと思う。テーラー展開をごにょごにょして、微積分の精度を引き上げる系の問題は割とでるので、良く読んだ方が良い。

形式言語と計算理論
・計算理論の基礎 1/2/3巻 (Michael Sipser 著)
良い本。証明が面白い。面白いから、2週ぐらい読んだ。試験では証明も良く出る。

コンピュータアーキテクチャ
・コンピュータアーキテクチャ (坂井修一 著)
・コンピュータの構成と設計 上下 (デイビッド・A. パターソン, ジョン・L. ヘネシー 著)
論理回路入門 (坂井修一 著)
コンピュータアーキテクチャ (坂井修一 著)は導入に最適。

 

キャッシュアクセス、ページングなどの問題が頻出なのでパタヘネ本の問題、他の院試の過去問( 東大電気電子の院試が良い印象 )をちょこちょこ解いたりすると良いと思う。
論理回路論理回路入門で十分。3週はしたと思う。

グラフィクス
・コンピュータグラフィックス (CG-ARTS協会 著)
とにかく過去問だ。

情報数学
情報理論の基礎 (横尾英俊 著)
マルコフ過程エントロピーあたりの話題が重要な印象

離散数学
グラフ理論入門 (R.J. Wilson 著)
・最適化法 (田村明久・村松正和 著)
最適化の数学で使う線形代数の扱い方が試験に良く出る印象

OS
オペレーティングシステムの仕組み (河野健二 著)
オペレーティングシステム (大澤 範高 著)
システムプログラミング入門―UNIXシステムコール、演習による理解 (渡辺 知恵美 著)
こんな処理をするプログラムをCで書けCで(ペーパの試験なのに。)的な問題が過去に何問か出ている。

数学
・マセマシリーズ 微分積分/線形代数/確率・統計/常備分方程式/複素関数
・問題集 (微積分/線形代数/確率/常備分方程式のみ解きました。)
-詳解 大学院への数学―理学工学系入試問題集 (東京図書編集部)
-演習大学院入試問題〈数学〉I/II (姫野 俊一、陳 啓浩 著)
とにかく問題を解く。専門でも数学の問題 (とくに線形代数、確率 ) は良く出るので、きっちり問題演習だけはやっておく。薬学部の時には 一切数学と情報の授業がなかったので問題が解けるようになるまで結構時間がかかった。

英語
TOEFL ibtで 80/120 ぐらいとれてれば十分だと思う。

感想
とにかく楽しかった。院試勉強始めるまでは、過去問見て全く受かる気がしなかったけど、やってみたら楽しくて仕方なかった。気づいたら受かっていた。
今の専攻で納得がいかないなら、心から楽しいと思える専攻に変えるのも悪い事ではないと思う。
以下の写真は楽しんだ結果

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